読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

銃による悲劇を止めるために 〜 北米からのキャンペーン2連発

f:id:socialcamp:20150928071710j:plain

みなさまこんにちは。夜もだいぶ長くなってきましたが、いかがおすごしでしょうか?さて本日は、卓越したアイデアとして世界中で高い評価を受けている、アメリカ発の「銃規制」を促進するソーシャルキャンペーンをふたつ、ご紹介します。最初のひとつは全米にチェーン展開しているスーパーマーケット「クローガー」の奇妙なルールに主婦たちが噛みついたキャンペーンで、もうひとつは、護身用に銃を持つという行為がいかに誤りであるかを「銃を買おうとしている人たち」に向けて直接、衝撃的に伝えたキャンペーンです。両方とも同時期に行われた同じテーマのキャンペーンなので、ふたつ並べて見つめる事で、読者の皆さまのアイデア出しのヒントになるかもしれない、と思い並べてみました。ひとつは課題に起因する「衝撃的な事象」を見つけて攻撃する事で、もうひとつは課題に関する「衝撃的な体験」を作り上げる事でそれぞれの角度から、アメリカのみならず世界中の耳目を集める事に成功しています。それでは以下のビデオをご覧ください。

<スーパーに銃はいらない/Groceries Not Guns>

vimeo.com

<ビデオ和訳>

母親代表「母親としての立場から見ても、従業員や警備員の視点から見ても、どんな人がいるかわからない状況の中、銃を持った人々が自由に入店できる状況は危険だと考えてます」

ナレーション:アメリカの法律は、人々が弾丸を装填した銃を持って入店することを許可している。

レポーター「(スーパーマーケットチェーンの)クローガーは、州法が認めていることもあり、銃を携行しての入店を断ることはないと主張しています」

ナレーション:そこで我々は、彼らに打撃となるPRキャンペーンを実施することにした。

アンカーたち「母親たちのグループが、」「母親たちが、」「母親たちが、」「アメリカの銃規制のために立ち上がりました」「銃を持っての入店を認める全米最大手のスーパーマーケットチェーン、クローガーに噛み付いたのです」

アンカー(※プリント広告を映し出しながら)「ライフルを持った人の横にクローガーの規則を破っている客を並ばせ『この中のどちらかが入店を歓迎されません。どちらが規則破りでしょう』というキャッチコピーをつけています。これは…理解に苦しみます。アイスを食べているからって自分の子供が追い出されて、その脇をライフルを持った人がのうのうと入店していくだなんて…狂気じみています!」

ナレーション:次に我々は、クローガーとのやりとりをオンラインで公開した。

カスタマーサービス「もしもし、顧客第一のクローガーストアです!」

カスタマーサービス「プードルですか?我々はペットの入店は認めていません」

女性「つまり、引き取られたプードルを抱えての入店は法的に認められず、殺傷能力を持つライフルを持っての入店は法的に認められる、ということですよね?」

電話の声「えーと…」

ナレーション:これは360,000もの抗議の署名を集めるなど、着実な効果をもたらした。我々はさらに、その歩みを進めた。

アンカー「気になるキャンペーンが、国内最大のスーパーマーケットチェーンを追い詰めています」

(※テレビCMを映し出しながら)

店員「なんでスケボーしているんだ。誰かがケガしたらこまるだろ?」

店員「水鉄砲を持っての入店はできません」

<クローガーでは、所持しての入店を断られるモノがたくさんある>

<でもライフルはそれに含まれていない>

ナレーション:そして私たちはついに、銃を持っての入場が許されていない「唯一の」クローガーを見つけた…クローガーの本社ビルだ。そこで我々は、彼らの本社ビルの壁に質問を投射することにした。

アンカー「クローガーは難しい選択を迫られています」

ナレーション:これらの一連の取り組みは、メディアに大きく取り上げられたのはもちろん、普通のアメリカの人々からも大きな反応が寄せられた。(同じような規則を持つ)他社も方針を変更し、調査結果は、アメリカの銃規制についての前向きな世論を示した。

オバマ大統領「このように母親たちと連帯しましょう。声をあげて、ともに安心な社会を作り上げていこうではありませんか」

<立ち上がる母親たちの会〜アメリカの銃規制のために〜>

 そして、もうひとつのキャンペーンがこちら。

<銃販売店/The Gunshop>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

<アメリカ国民の60%以上が銃を持つことで暮らしはより安全になると考えている>

<しかし事実は、殺人や自殺、不慮の事故による死亡を増やしているのだ>

<そこで我々は、初めて銃を購入しようとする人々に再考を促すため、意表をつく取り組みを行った>

<ニューヨークに銃の販売店を開いたのだ>

<本物に見せるために、隅々までリアルに再現>

<しかしよく見ると、それぞれの銃にはそれぞれが引き起こした悲劇が浮かび上がってくる>

<すべての銃には、それらが引き起こした殺人の記録がタグで記された>

“これは5歳児でも使える扱いやすさのために、2015年1月19日、親の寝室でこれを見つけた5歳児により、生後9ヶ月の弟が殺されてしまった”

“教えようとしていた際…”

“日時:2012年12年14日、使用者:アダム・ランザ、死者:26名、負傷者:2名”

<また弾薬の箱には、その弾丸が引き起こした不慮の死についてが記された>

“2歳児が偶発的に殺してしまった”

<狙撃の的となるポスターには、射程範囲に起因する事故の歴史が記された>

“撃ち方を教えていた教官を殺してしまった”

<フライヤーには、中古の銃による悲劇が記されていた>

“使用者:ジェームズ・ヒュバティ、死者:21名、負傷者:19名”

<隠しカメラは、銃を買いに来た人たちの姿を捉えた>

店員「これは一番人気の22口径6インチのリボルバーで、親の寝室でこれを見つけた5歳児が、生後9ヶ月の弟を射殺したものです」

客の男性「この銃で5歳児が、弟を射殺しました。…これで殺したの?これ?これを子供が使って殺したの?うわぁ、最悪…」

<この店があまりにリアルだったので、銃の推進派は警察に捜査を依頼>

アンカー「全米ライフル協会はこの店舗の違法性を探るため、警察に捜査を依頼しました」

コメンテーター「こんなことをする人は逮捕されてしかるべきでは…」

<最初の1週間で、1200万を超えるビュー数を獲得>

アンカー「この取り組みで法律が変わるようなことはないと思いますが、少なくとも銃を買おうとする人々のマインドに、考える機会を与えたことは間違いないでしょう」

<すべての銃には歴史がある。繰り返させないようにしよう>

<銃による暴力を食い止める州連盟>

皆さま、いかがでしたでしょうか?「銃の問題は日本にはほとんどないから関係ない」と思いがちですが、どの文化にも他国から見ると「なんでそんな事になってるの?」と思える、特有の課題があるものです。他国の文化の課題と、それらへの対処方法について知る事は、自国の文化が抱える問題を解決するためのヒントになるかもしれない。そう思うと、ご覧いただいたふたつの事例も見方が変わってくるのではないでしょうか?

These are the two campaigns which have been highly evaluated in various international advertising festivals. They are both about gun control and it’s quite surprising for Japanese like me, who are not allowed to have any kind of guns or rifles in public. Every culture has its own problems and it’s good to know how people living there are trying to deal with them, to understand how to deal with our own problems.