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世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

毒をもって毒を制す!一休ばりの頓知でネオナチを驚愕させたドイツのソーシャルキャンペーン

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皆さんご無沙汰しております。仕事の方で山場がありまして、更新が遅れてしまいました…コホン。シルバーウィークのど真ん中、今回は今シーズンの世界の広告賞を大いに賑わせたソーシャルキャンペーンをご紹介しようと思います。お題は「ネオナチ」。少数派ながら拡大を続ける彼らのデモ行進に悩まされているドイツの人々が、NGO団体と組んで行った驚愕のソーシャルキャンペーンとは…。アイデアも抜群ですが、以下の映像もかなりよくまとめられています。(特に行進中、戸惑うネオナチたちの表情は必見です。)

ナチス・アゲンスト・ナチス

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

ナレーション:「エグジット・ドイチェランド(Exit Deutschland・ドイツの出口)」はネオナチ思想から逃れたいと思っている人たちをサポートする団体。信じられないかもしれないが、ネオナチは今も成長を続けている。毎年、ウンズィーデルのような小さな町を巻き込み、存在を誇示するためにデモ行進を続け、住民たちを震え上がらせている。

しかし2014年、エグジット・ドイチェランドは地元の住民たちと力を合わせ、驚くべき手段をとった。

史上初となるボランティアでないチャリティウォーク「ナチスに反対するナチス」を実施したのだ。この初の試みによりに、我々はネオナチの行進を、ナチズムへの打撃となるチャリティウォークに変えてしまった。これは彼らのボランティア精神に基づくものではなく、彼らが歩く1メートルごとに10ユーロが市民や地元企業からエグジット・ドイチェランドへと寄付される仕組みである。

これによりネオナチはlose-lose、どうあがいても損になるだけの状況に追い込まれた。

途中で行進を止めて帰っても、すでに寄付してしまったお金は返ってこない。さぁ、どんどん寄付するんだ。歩け!

この試みはネオナチによる行進を、カラフルで楽しく、実ある全く別のものに変えてしまった。

行進コースには応援の書き込みがなされ(ここまでで5000ユーロ達成、ありがとう!)、壁には応援の横断幕が貼られ、途中ではバナナの差し入れまでが行われた。

最終的にはネオナチから脱退するための寄付額は1万ユーロを達成。同時にデジタルでもキャンペーンが展開されていて、人々はウンズィーデルでの行進をオンラインでリアルタイムに見ることができた。この皮肉な仕組みのキャンペーンは人々の耳目を集め、ソーシャルメディアでも大きな話題を巻き起こした。

レポーターたち「ネオナチの行進は…」「ネオナチに対し、エグジット・ドイチェランドは…」「ナチス」「ナチス」「行進を全く別のものに変えてしまいました」

この革命的な寄付方法は他の街でも効果的に応用され、エグジット・ドイチェランドに記録的な寄付額をもたらした。これは皮肉に聞こえるかもしれないが、ネオナチのおかげで、ナチズムに熱中する人が世界中から減っていくことになるのである。

<エグジット・ドイチェランド>

以上、いかがでしたしょうか?自分はこのブログでアイデアの本質を言い表すために北風と太陽の例えをよく出しますが、この企画は「ウサ晴らし」というしょうもない北風を、強引に太陽に翻訳してしまったものすごいアイデアだと思いました。はめられたネオナチ側の人たちも困惑しながら、なんだか脳が面白がっているような表情を見せているのが印象的です。

いろんなものが解釈次第の世の中ですが、企画者としてはこういう「実は誰も傷つかない」解釈で世の中を面白くしていくアイデアを提供することが大事だと思いました。

This is an award-winning idea from Germany in 2014. I love the structure of this idea because it is like Japanese martial arts like judo and aikido, that take advantage of the opponent’s own movements to win. Quite creative, isn’t it?