パレスチナやシリアなど、世界には再びキナ臭い匂いが漂い始めておりますが、今回は世界を股にかけて活動を続けるフランス人アーティスト・JR氏の国際的ムーブメント「INSIDE OUT(ひっくり返す)」の一環としてパキスタンの国境地帯で行われたソーシャルキャンペーンをご紹介します。同地帯を空爆するためにやってくる、無人爆撃機のオペレーターを対象にした衝撃的なキャンペーンです。
Reprieve Foundation - Not a Bug Splat! - YouTube
<ビデオ和訳文>
ここ10年、無人爆撃機「プレデター」はパキスタンに出撃。3500人以上の人々を殺害してきました。その中には200名以上の子どもを含む、罪のない市民の犠牲も多く含んでいます。FFR(Foundation for Fundamental Rights 基本的権利のためのファンデーション)は、この課題についての認知を向上させるために、さまざまな活動に取り組んできました。
遠く離れた場所からプレデターを操作するオペレーターたちは、彼らの攻撃から逃げる人々が虫けらのように見えるため、犠牲者たちを死傷者と言わず、「潰れた虫」と表現していました。そしてパキスタンの人々の抗議は、世界には届きません。なので私たちは、プレデターを操作するオペレーターに直接問いかける事にしたのです。
レポーター「空から見えるよう、幼い子どもの写真の巨大ポスターを拡げる新プロジェクトです。このポスターはプレデターのオペレーターが見れるよう、パキスタン北西部の、アフガニスタンとの国境地帯にある名もなき集落に拡げられました」
プレデターのオペレーターたちは、ディスプレイを通じて虫けらのような人々を見るのではなく、こちらをじっと見返してくる、子どもの顔を見る事になります。
フランス人アーティスト、JRの「INSIDE OUT(ひっくり返す)」ムーブメントの一環として行われたこの試みは、デジタルマップのサイトにも永く残るよう、人工衛星からもしっかりと見えるようにデザインされました。
さて最後に、冒頭で紹介したようなプロジェクトを世界各地で手がけるようになったJR氏がTEDで自分のキャリアを包括的に話した、明るく前向きで、クリエイティビティに富んだ素晴らしいプレゼンテーションが字幕付きでありましたので貼り付けておきます。
25分という長めのプレゼンテーションですが、それだけの価値はあるのでお時間があるときなどに、ぜひご覧ください。
ちなみに上記ムービーの最後の方で触れられている、今回のキャンペーンのベースにもなった「INSIDE OUT(ひっくり返す)」ムーブメントについては、以下のサイトから参加できます。間口の広い取り組みなので、広く認知を広めたい課題があるなら、皆さまもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
Welcome to Inside Out Project | Inside Out Project
それでは今日も、当たり前のように平和な青空を眺めていられる幸せを噛みしめつつ。