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世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、時に和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたい人たちのヒントになれば幸いです。

ワンダフル!ニューヨーク発・大都市の暮らしを良くする取り組み2選

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東京も2020年に向け、さまざまな計画が動き出していますが今回は、ニューヨーク発の素敵なソーシャルキャンペーンを2つご紹介します。街の伝統や文化といった財産を活かしつつ、どのように新たな価値をそこにプラスオンしていくのか。これからの街作り・コミュニティ作りを考える上で、とても示唆に富んだ内容になっています。まずはニューヨークの地下に公園を作ろうと活動しているニューヨークっ子、ダン・バラシュ氏のプレゼンテーションをご覧ください。

 

1:「ニューヨークの地下に公園を」


Dan Barasch: A park underneath the hustle and bustle of New York City - YouTube

<ビデオ要訳文>

ダン・バラシュ氏

私の夢は、世界で初めての地下公園をニューヨークに作ることです。なぜそんなことをしたいのか?話は祖母の時代にさかのぼります。当時はニューヨーク創成期。街には活気があふれていたそうです。しかし私が育った今のニューヨークはすでに完成してしまったもの。私はどうしたらこの街に変化と活気を取り戻すことができるのか、子供の頃からずっと考えていたのです。

私は卒業後、ユニセフや市役所、グーグルなどで職を転々としていましたが、転機は2009年に訪れました。ビジネスパートナーのジェームズ・ラムジーが「すごい場所がある」と教えてくれたのです。それがこの、1948年まで実際に使われていた路面電車の地下ターミナル。フットボールのフィールドと同じ大きさをもつ、インディ・ジョーンズに出てくる宮殿のような場所がニューヨークの真下に眠っていたのです。調べてみるとこの場所があるニューヨークの東側は、緑が極端に少ないことがわかりました。そこで私たちはこの場所を、緑に包まれた公共空間にできないかと考えたのです。地上の測道に光を集める皿を置き、地下に降り注がせることでこの廃墟を、緑の公園にしてしまう。

2011年にこの計画を発表するといろんな人から「地下なのに天国の楽園みたいですね」といわれました。なので私たちは自然とここを「地下の楽園」と呼ぶようになりました。私は会社を辞め、プロトタイプを作り倉庫でデモを行いました。それを機に市民だけでなく、世界中から支援者が集まるようになりました。

こちらは、市が10年かけて行おうとしているこのエリアの再開発後のイメージです。これが実現しても、緑が増えたとはいえないでしょう。なので私たちは今、市の計画に地下の楽園を加えることはもちろん、それをどのようにエリア全体の計画と統合することができるか、市当局と話し合いを続けています。例えばこれは、私たちが地下の楽園の入り口をイメージしたデザイン画です。ニューヨークの地面をひっぺがして歴史をかいま見せ、暖かな内部へと誘うものになっています。特に冬の頃は、みんなが行きたがる唯一の公園になるでしょう。地下の楽園は四季を通じて、市民の憩いの場となるのです。

この計画によって、私の家族の歴史は完成するのだと考えています。祖母の世代は「高く、外に」この街を拡大させていきましたが、私たちの世代では、先代が作り上げた財産を活かし、歴史を掘り下げてこのコミュニティを、もっと魅力的で美しく、時代に適応したモノにすることが求められているのです。どうもありがとう。

 

続いてこちらは「キャンペーン」というよりは取り組みに近いですが、ゴミ箱という、見落とされがちなものにまで文化や伝統を残そうとするニューヨークの人々のこだわりが素敵なので紹介します。ぜひご覧ください。

 

2:「セントラルパークのゴミ箱をリニューアル」


The Central Park Conservancy - YouTube

 <ビデオ和訳文>

「良いデザインは、伝統的財産」

「1858年、フレデリック・ロー・オルムステッドとカルバート・ボークスはセントラルパークのデザインコンペに勝利した」

「2012年、セントラルパークの管理委員会とアルコア財団は、公園における新たなゴミとリサイクル資源の管理システムのデザインをランダー・アソシエーツに依頼した」

「公園のアイコンでもあるベンチは1939年、ロバート・モースと金物師ケビン・リンチのコラボでニューヨーク万博のためにデザインされ、コロナパークに導入されたもの」

「ゴミとリサイクル箱のリニューアル結果=害獣の減少・回収車両の減少・リサイクル率は30%向上」

「ステレオ(立体)印刷と、フルスケールの試作」→「部品・仕上げのテスト」→「CADとPCによるモデリング」→「すべてを国内で制作」

「環境にも、公園の使命にも合致」

「飛行機にも使うアルミを使用・合金のうち30%がリサイクル素材・環境に良いパウダーコート塗装・100%リサイクル可能・LEED認証の基準に合致」

「2013年秋、導入」「700個以上の新たなゴミやリサイクル箱が、パーク内に」

「リサイクル率は35%上昇」「害獣の侵入は確認されず」

「良いデザインは、責務であり・力を合わせて生み出される・効果的で・わたしたちの伝統的財産」

"セントラルパーク管理委員会 ゴミとリサイクル箱のリニューアル" 

 

公園という大きなものからゴミ箱まで。自分たちの財産をきちんと活かして、次の世代につなげていこうとする人々。これをまとめているうちに、自分もなんだかニューヨークに行ってみたくなりました(まだ行ったことがないのです)。こうした取り組みの積み重ねが、都市の総合的な魅力となって世界中の人々を惹きつけるのでしょうね。

以上、未来の東京もそんな街になるといいな、という願いを込めて。