世界のソーシャルキャンペーン WORLD’S SOCIAL CAMPAIGN

このブログではこれまでの常識に「ひとつまみの非常識」を加えることで世界中で話題となったソーシャルキャンペーン事例を、和訳文付きでご紹介。NPOや起業家等、社会をよりよくしたいすべての人のヒントになれば幸いです。

論より実行。街の死角を見事に“再開発”したタイ発のキャンペーン –The Unusual Football Field

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環境の変化もありしばらくブログの更新も滞りがちだったのですが、読者の方からご声援をいただき、やる気がまた出てきました。読んでる人はどんどん声をかけてくださいね。調子に乗せていただければ、更新頻度もまた上がるかもしれません(笑)。

今回は今年、各地の広告賞で高い評価を得たタイ発のソーシャルアイデアをご紹介します。もちろん素晴らしいソリューションなのですが、このアイデアのミソは主催者がNPOではなく、民間の不動産デベロッパーである点。

有名人を起用して「あなたのための街づくりを考えています」といった美辞麗句を並べたTVCMを流すのもイメージアップに有効だとは思いますが、こういう実際の活動を通じた街の人々との交流はより深く、住民たちの心に届くのではないかな、と感心させられてしまいました。フィールドのデザインもいい感じです。

This is a brilliant and award-winning campaign from Thailand, beautifully executed by a property developer.

 

<普通じゃないサッカー場:The unusual football field>

www.youtube.com

<ビデオ和訳>

バンコクのヘンテコなサッカー場 – ミラー紙”

“異常な空間が、崇高な志を実現 – ハイプビースト”

“今週のベスト広告(=アド)キャンペーン – ベストアド”

 

キャスター1:「普通じゃないサッカー場です」

キャスター2:「クロントイ地域にできたこのサッカー場は…」

健康省補佐官「他人と自由に触れ合う空間がないと、人々は思いやりの気持ちを失い、自分勝手な行為に走りがちになります」

AP不動産開発 副社長「狭い場所に住んでいる人々にも、自分の能力を発揮したいという思いがあります。我々は彼らにも十分な空間を与えたいと考えました。」

スーパー:AP不動産開発プレゼンツ「普通じゃないサッカー場

男性「(街の)使われていない空間に我々の想像力を活用することができたら、すべての人にプラスになることができるのではないか、と考えました。」

スーパー:このアイデアは、住民たちに温かく受け入れられた。

スーパー:このニュースは、132カ国に拡散。ついには…

“2016年の、25大イノベーションの一つ – タイム紙”

<AP不動産開発>

 

ティンダーは地球を救う!?アフリカで行われた奇想天外の動物愛護キャンペーン/ The World's Most Eligible Bachelor

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FacebookからTwitterInstagramSNSはいろいろありますが、今回は出会い系アプリとして数年前から世界中で普及しているTinderを使ったユニークな動物愛護キャンペーンをご紹介します。Tinder とはスマホに映し出される好みの性別の顔を見て、興味のある・なしを右左に次々とスワイプさせながらマッチングさせてゆく露骨なアプリでして、他のSNSとは一線を画す存在なのですが、それを逆手にとって課題の解決に結びつけた見事なアイデアです。それでは説明ビデオをご覧ください。

This is the impressive idea matching Tinder with animal protection.

 

<世界で最も目が離せない独身男性/The World's Most Eligible Bachelor>


Ol Pejeta Conservancy | The World's Most Eligible Bachelor

<和訳文>

“野生動物保護の専門家が、種の保持のために放った最後の手段。-タイム誌”

ケニア/オル・ペジャタ保護区

スーダンに会おう。

−彼は43歳。

−家の敷地は9万エーカー。

−軍仕込みのセキュリティガードを所有している。

−彼は地球で最後のキタシロサイだ。

−文字通りのワン・アンド・オンリー。

−これらが示す通り、彼は世界で最も目が離せない独身男性だ。

−でも悲しいことに、彼女はいない。

−彼が愛を見つけるために、ふさわしい場所はどこだろう?

−「ティンダー」

−“世界で最も目が離せない独身男性”として、彼のプロフィールがティンダーに掲載された。

−ユーザーはただ、右にスワイプする(訳注:つまり、興味のある交際相手候補としてキープする)だけ。

−すると、オル・ペジャタ保護区の繁殖プログラムに募金ができるのだ。

−愛が、世界から集まった!

−「素敵な独身を見つけちゃった!(団体のサイトに)アクセスしてみて! byルピタ・ニョンゴ 」

−「寂しくてムラムラしてる?だったら交際相手を探しているキタシロサイに手を差し伸べよう。 Byリチャード・ブランソン」

(その他アーロン・ラムゼイやジミー・ファロンのツイートなど)

−わずか48時間で、彼は人気者になった。

キャスターA:彼は43歳で身長2メートル、体重は2トンを超えます。

キャスターB:そうです。すぐに愛が見つからなくても、彼のことを気に入ってくれる人がどこかにはいるはずです。

キャスターC:スーダンの様子はどう?

キャスターD:スーダンというサイが、ティンダーでまさに恋人を探しています。

ジミー・ファロン:ケニアの保護区の皆さん、絶滅寸前のサイのためにティンダーのアカウントを作ってくれてありがとう。彼もさぞかし「イキリ立ってる」だろうね。(笑い)

−190カ国、40言語でニュースに。

−1週間で、21億のメディア・インプレッションを稼いだ。

−PRバリューは1億6千6百万USドル。

−そして募金額は、320%上昇した。

−望みはある。

<オル・ペジャタ保護区>

 

あの死から23年。アイルトンセナ財団が見せる、アスリートによるソーシャルグッドの可能性:Ayrton Senna Foundation - New Way of Social Good by a Legendary Athlete

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1994年5月1日。イモラのタンブレロコーナーで34歳の人生を終えたアイルトン・セナ。年代的にも自分の生き方に大きな影響を与えてくれた人物ですが、死後23年を経て、彼のブランドやレガシーは遺族によるNGO団体、アイルトンセナ財団によって今もブラジルの子供たちの教育に大いに役立てられているそうです。最近の著名アスリートたちが企業との関係性などで自己ブランドの維持に苦労する中、ソーシャルグッドと結びつけたこのような座組みのアイデアは案外とこれからの参考になるかもしれないと思いましたので、以下にイギリスBBCによる記事の概要を翻訳してご紹介いたします。

Here is a link to BBC's article about Ayrton Sena Foundation, which is supporting chilren's education in Brazil even today.  

www.bbc.com

<記事概訳>

アイルトン・セナ : そのブランドとレガシーは生き続ける”

その死から23年を経てなお、かつてのF1世界王者アイルトン・セナの名は生きている時と同様の価値を保っている。彼の故郷、ブラジルに変化をもたらしながら。

 

金曜の午後、サンパウロから1時間ほど離れた郊外の小さな町イタチバの学校では、12歳ぐらいの子供たちがコンピューターラボに集まっていた。

授業時間を超え、課外活動として自発的に参加している子供たち。彼らはMITのエキスパートが子供にコーディングを教えるために開発した「スクラッチ」というソフトウェアを学んでいる。

ブラジルの学校でこのようなカリキュラムを持つところはほとんどない。世界での学力ランキングでも最下層に沈むこの国では、算数やポルトガル語など、基本的なことを教えるのにすら苦労しているのが実情だ。

イタチバではF1に興味を持つ生徒や教師はほとんどいない。ただ、ここで起きていることは1994年5月1日、サンマリノGPで命を落としたアイルトン・セナのレガシーの一部だ。

“セナとその一族”

コーディングの授業は、セナの姉ヴィヴィアーノが彼の死から数カ月後に立ち上げたNGO団体、アイルトンセナ財団により運営されているプロジェクトだ。

この財団の主な資金源は、セナのブランドやレガシーのマネジメントによりもたらされている。

彼は今もなお、世界でもっとも価値のあるスポーツブランドの一つだ。過去5年間で、この財団には10億レアル(およそ350億円)もの資金が集まった。

そしてこれは、セナ家のビジネスでもある。財団の理事はヴィヴィアーニで、彼女の娘、ビアンカブランディングを担当している。

その資金の多くは野心的な教育プロジェクトの推進に使われ、それが財団の主なビジネスになっている。

ビアンカは言う。「普通の企業の場合、その中の一部に社会貢献活動のための部門がありますが、私たちはある意味、その逆だと言えます。私たちは、スポーツブランド会社をその中の一部に入れ込んだ、唯一のNGO団体なのです」

<衰えぬ人気>

セナは、マーケティングの点でまだかなりの価値がある存在だ。

セナ関連の商品が強い市場はブラジルと英国、イタリア。

ボストン・コンサルティンググループが行なった2015年の調査によると、セナブランドが商品に与える影響力はロジャー・フェデラーマイケル・ジョーダンと同じクラスに属する。

また他の調査によると、リオ五輪に参加したブラジル代表選手(多くは若すぎて、彼の存命中の姿を知らないはずだ)の中で、彼はネイマールやペレを上回り、彼らにもっともインスピレーションを与えた存在として位置付けられた。

セナ財団はこのマーケティングの価値を最大限に生かすべく、関連書籍やDVD、ヘルメットやコレクターズアイテムを購入してくれるF1ファン層と、レースには興味がないが、彼のカリスマや価値に良い印象を持つ一般層の2つのターゲットに向けて、何百という商品にセナの顔と名前の使用を許可している。

一般層に向けての商品としては、おもちゃや子供向けのコミック、ケチャップやマスタード、マヨネーズなどの調味料が販売されている。

<比類なきブランド>

トップブランドコンサルタント社のマーケティングスペシャリスト、マルコス・マチャド氏によると、キャリア全盛期における悲劇的な死によって、セナは勝利者としてのイメージを失わず、大衆の心に訴えかけることができたと言う。

ほとんどのスターアスリートは衰え、引退することによりその魅力を失うことになる。時にはタイガー・ウッズライアン・ロクテのように、スキャンダルで自らのブランドを傷つけてしまうこともある。

<セナのF1キャリア>

・世界王者:1988,1990,1991

・161レースに出場

・通算41勝

・ポール・ポジション獲得数65

・初レース 1984 ブラジルGP

・初優勝 1985 ポルトガルGP

・最後の勝利 1993 オーストラリアGP

・ラストレース 1994サン・マリノGP

・F1史上最高のドライバーに選出

セナブランドの強みは実質上、ライセンス契約による収入のほぼ全てが、利益ではなくチャリティに生かされるところである。

教育は財団の中核事業であり、過去20年で、この財団は年間1900万人の子供たちをサポートし、6万人の教師を訓練するブラジル最大のNGO団体の一つとなった。

そして今、財団は多くの学校に安価で導入することができるスマートな教育推進策 ー ヴィヴィアンが言うところの「ワクチン」の開発と研究に投資を集中させている。

<社会的かつ、情緒的スキル>

昨年この取り組みは、リオデジャネイロ低所得者たちが集まる公立学校、コレジオ・チコ・アニシオで大きな成果を上げた。

カリキュラムを見直し、算数や言語といった従来の科目のみでなく、忍耐や規律、決断力といった社会的、情緒的スキルの教育も評価マトリクスとセットで組み入れたところ、全国規模の学力テストにより低所得者層の中では5番目に優秀な学校としてランクインしたのだ。

今年、財団はこの「ワクチン」プログラムをブラジル南部の20校に展開している。

「このような社会的、情緒的スキルは個人的な特性に基づくものであり、計測できるものではない」、「この財団は学校や教師を一般のビジネスと同じように扱いすぎなのでは」など、財団の活動に批判がないわけではない。

 しかしヴィヴィアーニはこう否定する。

 「もし19世紀の人が今の教室を見たとしても、何も違いを感じないでしょう。でも世界の他の部分では技術や科学の革命が起きているのです」「何もそれは、スマホタブレットを子供に持たせるだけのことではありません。私たちは、そのような世界と相対するための社会的、情緒的スキルを育もうとしているのです」

<これからの課題>

いくつかの成功にもかかわらず近年、ブラジルの教育水準はPisaによる世界ランキングでも低下傾向から抜け出せていない。

ブラジルでは6歳から16歳までの子供、合わせて5000万人が教育を受けるものの、高校を卒業するのは5人のうちたった1人で、あとの子供たちはその間に教育過程から身を引いてしまう。

財団も前途が洋々というわけではない。学校との全ての取り組みは州や市当局の認可が必要なものの、公共の財政は不況により破綻している。

ブランドの点から言っても、一般大衆のセナへの興味・関心を保ち続けることは、時の経過とともに難しくなっていくことだろう。

マチャド氏は言う。「この財団は素晴らしい仕事をしてきた。大衆のセナへの興味関心も保ち続けることができるだろう。ただ、それは永遠というわけではない」「私たちは現実的にならないといけない。いつか、若い世代にとってセナは現実のアイドルというよりかは、遠い過去の人物のように感じることになるだろう」

サーキットでは、不可能なことを可能にすることでその伝説を作り上げたアイルトン・セナ。その名を冠する財団は今、彼のスピリットを胸に新たな不可能に挑戦しようとしている。

悲しい誤解を解くために。セサミストリートのキャラクターに自閉症の女の子が登場!〜A new friend with autism comes to Sesame Street!

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先日、セサミストリートの新キャラクターに自閉症の女の子が登場したというニュースがBBCのウェブサイトに掲載されていました。この子とセサミストリートの仲間たちとの交流を通じて、自閉症の子供たちについての誤解を解いていこうというアイデアです。

バードが、普通の子と反応が違う女の子に悩んだり、おじさんがその悩みを解決してあげたりする感じが、とても愛おしかったので以下リンク先のムービーでご覧ください(和訳もリンク下につけておきます)。きちんと専門家をつけているのでしょう、症状に個人差があるところまできちんと触れているところも啓蒙としては練れていて、誠実だな、と思いました。

Hi Bird, could you tell me how to get to Sesami Street? I need to learn from Julia a lot!

www.bbc.com

<ムービー和訳>

エルモ「この子がお友達のジュリアだよ!」

バード「ジュリアちゃん今日は。僕はバードだよ。よろしくね!・・(無反応にあせって)あれ、ジュリア?」

おじさん「ジュリアは今、お絵かきに夢中なんだ。みんな今日は、頑張ったね!」

文字:セサミストリートの新しいキャラクター、自閉症のジュリア。彼女はその存在を通じて、子供たちがその症状や、暮らしの中で誤解が起きやすいシチュエーションを理解する手助けをしてくれる。

おじさん「ジュリアは自閉症なんだ。理解してあげるとジュリアも喜ぶよ。」

バード「自閉症?それってなあに?」

おじさん「ジュリアの場合はね、話しかけてもすぐに答えてくれないかもしれない。」

エルモ「そう、ジュリアはあまり喋らないんだ。」

おじさん「その通り。そして、彼女は君がハイファイブしようと思っても乗ってこなかったりするよ。」

アビー「そう、ジュリアは他の子たちとは、ちょっぴり違ったことをするんだ。“ジュリア流”のね。」

バード「ヘぇー。」

文字:これについて、自閉症関連のコミュニティからは、好意的な反響が多く寄せられている。

ジェームズ:自閉症の一人一人は、勇敢に素晴らしく、驚くべき毎日を全力で送っている。私の息子もそうだ。セサミストリートのジュリア、ありがとう!

MrsC:ジュリアに感謝!あなたは自閉症を身近なものに変えてくれたわ。あなたは子供たちだけじゃなくて、大人たちにまで必要なことを教育してくれているわ。

マリ:セサミストリートにジュリア登場。自閉症の女の子がキャスト入り!

 

ちなみに上記映像の本編や、自閉症についての情報がたくさん盛りこまれたセサミストリートの公式サイトには以下からアクセスいただけます。

autism.sesamestreet.org

 

自分や、その他大勢とは違う存在や考え方を受け入れることを、こんな感じで前向きに、明るく楽しく教えたり、教わる機会がもっと増えるといいんだろうな、増やさなきゃいけないな、と強く思いました。

 

SNSの動画フォーマットを活用して「見えない貧困」を可視化したカナダ発のキャンペーン:Salvation Army - Facebook 360 Photo

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今回は、ブログをお休みしていた昨年末に見つけて紹介したいなぁ、と思っていたアイデアをご案内いたします。日本でいう救世軍、サルベーションアーミーのカナダ支部が行なった、Facebookの360度パノラマ画像機能を活用したキャンペーンです。

2年前に映画「スターウォーズ フォースの覚醒」のプロモーションコンテンツとしてこの機能(動画と静止画の違いはありますが)を体験して以来、それをうまく使ったキャンペーンが意外と少ない気がしたのですが、これは救世軍が伝えたいメッセージと機能がきれいにつながっていて、素敵だなと思いました。

This is an idea which was executed during the holiday season last year, by the Salvation Army Canada. It adroitly connects the unique visual format of Facebook – 360 photo, with the message they want to appeal especially in the holiday season. Though it might be a bit modest, I like this idea since there have been not so many good works using this visual format effectively except for the promotional content for Star Wars VII, which was launched 2 years ago - “A long time ago”, seriously.

 

救世軍:Salvation Army - Facebook 360 Video>

vimeo.com

<ビデオ英訳>

「このホリデーシーズン、救世軍は人々に、貧困は必ずしも目に見える形では現れないことを知らせたいと考えていた」

「そこで我々は、ホリデーシーズンの隠された一面を、Facebookの360度パノラマ映像機能を使って明らかにすることにした」

「私たちの投稿は一見、単なるホリデーを祝う家族の挨拶画像に見える」

「しかしユーザーがこの画像に触れると、全く違う側面が見えてくるのだ」

(ユーザーが360度の画像を見回して、挨拶画像を取り囲む家族の生活環境が、決して恵まれていないことが分かった後「貧困は目に見えにくい。特にホリデーシーズンは。」というキャッチコピーと救世軍のロゴが表示される。これがバージョン違いで何度か繰り返される。)

「貧困は目に見えにくい。特にホリデーシーズンは」                                 

「このシーズン、救世軍カナダのウェブサイトで募金にご協力ください」

タイトル:今日に希望を – 救世軍

 

ちなみに、このアイデアを基づいたテレビや、ポスターも制作されているようです。以下にリンクを貼っておきますが、強いアイデアはフォーマットに関わりなく、様々なメディアに転用しやすいものなのかもしれませんね。

You can also check the TV commercial and some poster visuals for this campaign from this Adweek article.

<出典元:The Salvation Army’s Clever Facebook 360 Photos Show Poverty Lurking Just Out of View>

http://www.adweek.com/creativity/salvation-armys-clever-facebook-360-photos-show-poverty-lurking-just-out-view-174789/

 

また、冒頭に触れたスターウォーズの記事もつけておきます。

<参考資料「スターウォーズ フォースの覚醒プロモーション用360度パノラマ動画>

www.facebook.com

 

 

この視点は斬新!本棚に加えたひとひねりで男女格差のリアルを明示したキャンペーン:The best Idea for International Women's Day 2017

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去る3月8日は「国際女性デー」ということで、日本を含む世界各地で様々な取り組みが行われましたら、今回はその中で自分が一番感心したアイデアをご紹介します。

アメリカはオハイオにある、ローガンベリー(Loganberry)という古本屋さんで行われた取り組みだそうなのですが、とても低予算で、男女の労働における格差を見事に訴えることに成功しました。一体、何をしたのかというと。。

まずは以下のリンクをクリックして、記事の写真を見てください。一目瞭然とは思いますが、どんな低予算でも、普段当たり前だと思い込んでいるものの視点を少しずらすだけで、世界中で話題になるようなキャンペーンにできてしまう。その模範のような事例で、企画者としてとても励みになりますよ。

This is the best idea for International Women's Day 2017 personally. Please check the English article below.

www.adweek.com

 記事の写真、ご覧いただけましたでしょうか?そうなんです、この古本屋さんは様々なジャンルの本の「著者」についての男女格差を明示するために、男性が著者の本の背表紙をくるりと全部、裏返してしまいました。するとどうでしょうか、本棚のほとんどが裏返ってしまい、使い物にならないショッキングな状態に。

「(女性たちの歴史月間でもあることにちなんで)女性の著者たちを讃える目的も兼ねて、男性の著者たちを黙らせて見ました」とは書店側のコメント。この取り組みがより大きな男女格差の問題についても深く考えるきっかけになれば、というのが書店側の思いだそうです。

ちなみに、男性風のペンネームを使っている女性の著作はそのままキープ。名前で判断できない場合は一人一人リサーチするなど、10万冊以上の古本屋、希少本を持つ古本屋だけに、必要最低限の手間はきちんとかけているようです。

「毎年何度も同じようなイベントをしても意味がないし、ただ問題に関連した本を読ませるだけでは不十分だと思いました」というのがこの企画の動機。健全な疑問を持つことで、制作費ほぼゼロのビッグアイデアにたどり着いてしまいました。実にあっぱれです。

 

<参考リンク>

手作り感が微笑ましいローガンベリーのFBページ(Loganberry’s Facebook page)

https://www.facebook.com/loganberrybooks/

こんなスローガンあり?〜人類共通のとある行動に目をつけたキャンペーン:The idea which changed the meaning of a “pee”

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去年の7月から久しぶりの更新です。仕事の拠点が東京からシンガポールに移ったのですが、異国での環境にも慣れましたし、世界情勢もかなり変わってしまいましたのでやはり「今こそアイデアの力だなぁ」ということでまた無理のない範囲でアップしていこうと思います。ブログ復帰の第一回目を飾るのは、毎度おなじみアメリカの大胆な意見広告です。いろいろ問題はありますが、意見が対立することを炎上という言葉でごまかさずにきちんとぶつかる文化、前向きです。

7 months have passed since I stopped this blog. During this period, the U.K. decided to move out of the EU and the Trump administration has started in the States. Aside from political opinions, everybody seems to feel that we need some fundamental changes in today’s world. This is the era that great idea is strongly needed and that’s the reason I restart this blog.

The first idea of my blog’s 2nd season is the one from the States. This idea tells us the importance of a slogan in social activities. Please enjoy and, pee.

 

<便座に座って、立ち向かおう。: Taking a seat, Making a stand.>

www.youtube.com

<以下和訳>

女性「テキサスの議会はSB6、トイレ法案を可決しようとしています。トランスジェンダーたちが、彼らのアイデンティティに合った性別のトイレを使うことを禁じる法案です」 

男性「この法案を食い止める方法はただ一つ」

男性「ソデをめくり上げて、パンツを下ろす。そしてLGBTと一緒にオシッコすることです」

 女性「便座に座ることで、この法案に立ち向かいましょう」

男性「おしっこシャー、が意思表明」

女性「なぜならこれは、プライバシーの問題でないからです」

女性「そして、自分たちでなんとかできる問題です」

教師「なぜならお金は子供たちがトイレでなく、学校に通えるように使われるべきだからです・・・ちょっと、廊下を走らないで!」

カウボーイ「それに法案を通すことは、フェミニンな仲間を差別することになっちまうからな」

男性「ボクみたいなね」

カウボーイ「その通り」

男性「SB6はテキサスのビジネスの脅威になります」

カウボーイ「そんで、しまいには(同じような法案を実際に通してビジネスが不調になったとみられる)ノースカロライナみたくなっちまうのさ」

みんな口々に:

「私はおしっこ、シャーします」

「シャーします」

「シャーします」

「シャーします」

男性「LGBTの人と一緒にね」

女性「なぜならおしっこしない人なんていないし、

誰にでも安全におしっこできる場所は必要だから」

 

タイトル:

それはプライバシーではなく、差別の問題。

 

一同「私はLGBTとシャーします。」

ロゴ<私はLGBTとシャーします。>